・以前作ったヘッドホンアンプを改良した 物足りなくなったので。 主な変更点とその結果 ・帯域幅の拡大 (回路を少々変更) ・帯域幅の拡大に伴い、負荷接続時の高い周波数の歪みが若干低下 ・電源トランスをEPDMスポンジゴムで挟み込んだ 電流増幅段はMMBT3904とMMBT3906・TTC004BとTTA004Bの2段のまま。 利得も3倍のまま。 それ以外のトランジスタも、汎用品のまま。 出力段以外のトランジスタは、JFETが2SK209・2SK208、BJTが2SC2712・2SC1815とそのコンプリ。 出力段は中電力トランジスタだと余裕が少ないので、小さめのパワートランジスタにして、 ついでにパワーアンプ同様の3段構成にしたほうが良いかもしれません。 帯域幅は約2.9MHz(-3dB・無負荷・実測)へ。 この手のディスクリートアンプとしては、かなり広帯域だと思います。 もっと伸ばせるけれど、少し落としてこの値です。出力段のこともあって、ちょっと躊躇しました。 ※ただし、負荷があるときは出力に入っている補償用のL+Rで帯域幅が狭まります。 スルーレートは50V/usくらい。 ほぼ計算値ですし、ぼちぼち良いと思います。 50V/usあれば、20Vp-pで800kHzくらいまで出力できるはずです。 計算違ってなければね!これはいわゆるフルパワー帯域幅です。 これより遅いなら、電圧増幅部はICのオペアンプで良いと思います。 歪みは、だいたい前と同じ感じで(フィードバック量違うから少ーし変わる)、 代わり映えせず測定限界にべったべた張り付いていました。 ファイルがどこかにいったので非掲載です。 小型のチップ部品を多用しているため電流があまり流せないので、設計の自由度は低めです。 バランスが良いと思ったところで設計しています。 帯域幅拡大に伴い、出力の補償もとりあえず手持ちの部品で調整しました。 矩形波をフルパワーで出力してもOK。 約100kHzの矩形波応答を貼っておきます。 上が出力でch1、下が入力でch2。プローブはそれぞれ×10なので、表示されている値の10倍です。 8Vp-pでこれだけスパッときれいな波形が出ていれば、かなり良いのではないかと思います。 0.8Vp-pではなく、8Vp-pですので。 今回は何か所かプリント基板のパターンが剥げたのと、 そもそもパターンのない部品を増設しているので無理やりです。 やっぱり、調整や改良・改悪はユニバーサル基板のほうが楽…かも…。 そもそもユニバーサル基板だとチップ部品が多い回路は困難ですが…。 ついでに、電源トランス(トロイダル)は、EPDMスポンジゴムで挟むようにしました。 巻き線がスポンジゴムで押さえつけられるので、トランスのうなりが減ったらうれしいです(希望)。 ケースに細かい振動が伝わるのも、ある程度は防げるかもしれません。 ただし、このスポンジゴムは絶縁用には使えない材料だと書いてあったので、 トランス周りに使うのはあまり良くない可能性があります。 直接絶縁に使っているわけではありませんので、今回は実験がてら試しています。 また、トランスをつかんで力を加えると、若干動く(特に回転方向)のが気になります。 柔らかい部材はこれがあるから、重量物を固定するときに挟むのは避けがちです。 ※天然ゴム系のスポンジゴムを避けたのは、耐熱性と耐薬品性を重視したためです。 反発力は天然ゴム系スポンジゴムのほうが強いと思うので、一長一短な感じがします。 スポンジゴムより、耐震シートみたいなやつのほうがいいかもしれないですね。 オーディオアンプなら、帯域幅は500kHz〜1MHzくらいで良いのではないかと思います。 だけど、500kHzまでしか伸ばせなかった500kHzと、何MHzも伸ばせる設計で500kHzにしておいたのは違います。 安定して伸ばせるのであれば、帰還量を増やせて歪みを改善することもできます。 できるに越したことはないでしょうね。 特性だけでなく、もちろんポップノイズは聞こえないようにしてありますし、 電源トランスの突入電流防止構造も入れてあります。(後者は後に追加したもの。) ―― 音は癖が極少で、レスポンスが極めて良く、どれだけ音が多くてもいけます。 特性だけで音がわかるわけではないけれど、特性が悪くて音が忠実ということは絶対になです。 特性が良いことにメリットはあれどデメリットはないので、 ちゃんとできているなら性能は良い方が良いと思っています。 耳が良い(経験が豊富な)人は、意外な特性差まで聞き分けられますし。 一か所だけ良くて他が悪いパターンや全部悪いパターンも、意外なほど聞き分けられるものです。 ご経験の少ない自身の耳が基準だとは思わないほうが良いのです。 ――― 2021年6月 トップページへ © 2021 Nono |
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