・トロイダルトランスの漏れ磁束(リーケージフラックス)、どこが一番大きい? 以前からよくNuvotem Talemaのトロイダルトランス(トロイダルコアトランス)を制作物の電源に使っているのです。 同じ出力でも、EIよりサイズが小さめなのがお気に入りポイント。 また、切れ目のない環状コアなので、漏れ磁束が小さいということになっている点もgood。 ……なのだけど、どうも向きによって漏れ磁束が違うような気がする……。 測定しながらトランスを動かすと、ケーブル引き出し部を 特定の角度に持ってくると、雑音が一番小さくなることが(私の経験では)多かったです。 また、同じ向きのままひっくり返すと、値が変わることも。 なので、実際にどこがどれくらい漏れているか、10uHのコイルを押し当ててその起電力で確認してみました。 誤差は大きいし、値も常に変動しているので参考にしかならなかったですけれど、 ノイズが少なかったトランスの向きとの相関は見られたので、公開しておきます。 まず、測定に使ったトランスおよびそれが内蔵されれいるアンプの、トランスの向きはこんな感じ。 手前がフロント、奥がリア。右側に回路。 配線が届く範囲で、測定しながら良い位置を探したら、この写真のような向きになりました。 わかりにくいけれど、ケーブル引き出し部は真後ろから反時計回りに30度くらい?回転させた位置。 他のアンプでも、同じトランスの場合はだいたい同じような傾向があったと記憶しています。 次に、実際にコイルを押し当てて起電力を見てみた図。 銅色部分がトランス、カラフルな線の出ているところがケーブル引き出し部。 絶対値に意味はない(トランスやコイルや負荷電流等で変わる)ので、 コアのわっかを貫く(ドーナツの中を通る)方向の磁束漏れを1として、他を相対値で記しています。 なお、交流なので、向きにはあまり意味がないと思います。ACレンジで測っていますし。 わっかを貫く磁束のみ、トランスの上部(留め具の上)にコイルを押し当てています。 他の部分は、トランスの上下方向の真ん中あたりにコイルを近づけて測定。 (上下位置でも値が変わる。) 図を見ると、やはり引き出し口から30度程度ずれた位置が、一番大きいみたい。 ここだけ、ずば抜けているので、何らかの対策はしたほうがいいでしょうね。 引き出し部にたいして線対称にはなっていない…かな。 ケーブル引き出し部の少し横で強く漏れる理由は、よくわからないです。 引き出し部で巻き方が疎になって、そこから飛び出しているみたいな理由だとは思いますが、 ばらしてみないと細かいことまでは…。 コアのわっかを貫く(ドーナツの中を通る)方向の磁束漏れが、 他の方向と比べて少なめなのは、環状コアトランスの特徴のはずです。 Rコアトランスも、わっかを貫く方向は他の方向より小さいので。 参考→北村機電株式会社 Rコアトランス トロイダルトランスは漏れ磁束(リーケージフラックス)少ない!という論調は間違いではありませんが、 そんな理想的な部品ではありませんし、電子回路にポン付けで良くなる魔法はないです、絶対に。 あと、EIより唸ることが多い気がします。 なお、このページの内容は私が使っている1個体のものですので、特性の違う個体が存在する可能性はありますし、 メーカーや製品が違えば全く別の結果になることもあると思います。 ――― 2021年6月。 ――― トップページへ © 2021 Nono |
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