・マイクおよびファンタム電源でECMを動かす回路 マイクプリを作ることはあれど、マイクそのものを作ることはなかったので。 個人的な興味および技術・知識の増強、ついでに仕事関連で製作。 ここで公開することによって、なにか次につながればいいネ。 収音部はすべてECM(エレクトリックコンデンサマイク)を使っている。 3線式ECMのほうが収録可能な最大音圧が大きいとかあるのだけど、今回はすべて2線のECMを使用した。 マイク部分はこんな感じ。 上からノイズキャンセリングイヤホンを改造した試作機、無指向10mm、双指向10mm、無指向6(5.8?)mm。 ECM部分に必要なのは配線・シールドとガワの加工で、 私はガワの加工は専門ではないので、省略。 シールドは色々とやっているけれど秘密。 私はこのECMをファンタム電源で動かしたかった。 つまり、ファンタム電源付きのマイクプリやUSBサウンドデバイス、ADC、ICレコーダ等と これを接続して、録音できる形として運用したい。 また、マイク部分はデータ取るのに交換する可能性があるため、 回路部分は別筐体として、マイク部分はミニプラグで交換できるようにした。 設計した回路のは、信号がバランス伝送のモノラルモデルと、 インピーダンスバランスとしたステレオモデル。 チップ部品(抵抗・コンデンサ・LEDなど)を多用しているので、見た目はシンプル。 二枚目、配線が左が赤・右が白になっちゃってるんだよなぁ。回路全体としては正しいんだけども。 どちらもマイク側がミニジャック、マイクプリ側がXLRとなっている(ステレオではXLR2個)。 ケースは樹脂なので、GNDに接続したアルミホイルでシールドしてある。 マイクの電源電圧は6V〜7Vの間くらい。(たしかバランス出力のほうが6.5Vくらい。) 通常の使い方からするとかなり高いものの、カプセルの動作範囲内に入っているので問題ない。 利得は等倍。等倍で使えるくらい出力の大きいECMを選んだので。 バランスのほうは、マイク→バッファ→差動でバランス信号生成→出力部→(外部マイクプリへ)という、 あまり見ない形になっている。それなりに考えて作ったけれど、メリットは多くないかな…。 雑音も少なく、安定して動く仕上がりなので、とても良い。 ただ、やはり樹脂ケース+アルミホイルではシールドできていない部分が存在しているため、 人体などが近づくと少しノイズを感じることがなくもない。測ってもほとんど変わらないけれども。 ……全体をアルミホイルで包むこともできるものの、あまりきれいにならない。 どう考えても、金属ケースのほうが良い。 この手の回路に詳しい人には特に注意点らしい注意点はないけれど、2線・バックエレクトレットの場合は そのまま接続すると逆相になるから、その点だけは要確認。 とはいえ、メーカーによってはバックエレクトレットなのか膜エレクトレットなのか書いていないことも多い。 (データシートではなくメーカー納品書には位相について書いてある場合もある。) ・まとめ ECMとはいえ、ノイズの少ないモデルを選べば、それなりの録音には十分に使える。 ただし、組み合わせる回路の質は超重要。 なお、ECM用のマイク端子…PCについている3.5mmマイク端子や、激安で3.5mmマイク端子の サウンドカードはノイズまみれのモデルが多いので、高音質録音は困難だと思ったほうが良い。 オンボではノイズが多いだけでなく帯域幅も狭かったり、どうやっても音が悪いので、 ECMで高音質録音を目指すなら、回路部分は設計・製作必須。 ――― 2022年7月(ページ制作)。設計・試作・その他は2022年前半。 トップページへ © 2022 Nono |
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