・ECMで高音質マイクを作る時に気づいたこと等

やってみていろいろ気づいたことや、こうなるともっと良くなるのになぁみたいなこと。


・回路部分はある程度アナログ回路に精通した人が設計しよう

言わずもがな。
なお、PC等のECM専用マイク入力は極めて質が悪いものが多いため、
あれで高音質は基本的に無理だと考えておいたほうが良い。


・歪みよりは雑音の小ささを追求するほうが良いかもね

カプセル自体の歪みもあるので、極端な低歪みを追求するメリットは薄い。
また、ファンタム電源で駆動する場合は消費電流が限られるので、そんなに自由な設計はできない。
雑音はある程度低くないと耳につくので、こちらはそれなりに重視したほうが良い。
※どちらも回路屋さん基準の話。見よう見まねで作る場合は何でもいいと思う。


・外部バイアスを必要とする通常のコンデンサマイクより軽いカプセルが多い反面、剛性が低いものが多い

高ければ高ければよいというものではないかもしれないけれど、
筐体の質にこだわったモデルがあっても良いと思う。
私が高音質ECMカプセルを開発する会社の人間だったら、筐体はいくつか試すだろう、と思う。


・内蔵FETの性能が低いカプセルが多い

これは2線のモデルでも、3線のモデルでも感じる。特に2線で使う場合。
あれは3V程度の電源で使えるようにしている構造だと思うので、
高めの電源電圧やある程度の消費電流が許容できる場合は、外付け等を検討できるほうが好ましい。


・無理に3線のモデルを使わずとも十分な場面も意外とある

これは収録する音圧や必要な性能等から十分に検討して選べば良いと思う。
使いやすさや互換性という意味で、2線式が有利な部分もある。
そもそも、そのへんのECMに究極の性能は求めてないってのもあるし…。


・径は大きいほうがノイズ少ないか?

これはわからない。
わからないけれど、大きいほうが低ノイズモデルが多い傾向があるように思う。
ただ、サイズも一長一短なところがあるから、用途にあった性能のものを選べば良いかな、と。


・極低ノイズ品以外は基本的に使えないレベルに感じた

ノイズの多い品種が現在もラインナップに多数残っているメーカーもある。
そういうカプセルは、声や楽器を録音するにはちょっとなぁ…という印象。
ノイズの多いPCのマイク端子と組み合わせたりするには良いかもね。


思い出したらその都度追記する。

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2022年7月


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